瓦のズレは黄色信号

2019.06.04

長年屋根が受け続ける自然変象、我々が考えるよりはるかに過酷です。

大津市は大萱から待ちに待っていただき、日曜日も利用しながら、ようやく修理、復旧が完了致しました。

日本瓦はその製品特性上、全ての瓦が互いに組み合わさって施工されています。昔の工法は土葺き工法がメインでしたので、瓦を接着し留付けている土から離れてしまうと、最初に述べた自然変象(台風、暴風、地震、大雨など)を繰り返し受け続け、長年をかけて下方向にズレが生じます。

黒く隙間が出来ているところは、許容範囲を超え、瓦の重なりが無くなり雨漏れに繋がります。

結果、最後に最も影響を受けるのがズレの終着駅、額縁(屋根の端部)です。 軒先は上から組み合わさる斜め方向の荷重がかかり、酷い時には雨樋を飛び越す事もあります。

左右のケラバ瓦もズレの影響を受けやすい右側が、ドミノ倒しのように綺麗に等間隔でズレます。

向かって左側ケラバから順番に瓦を正規の位置まで直していきます。

最後にケラバ瓦を補強の為、耐風ビスにて固定し、耐久性と強度を上げて仕上がりです。

屋根は下から見て、分かるくらいになれば、屋根上に上がると実際かなり酷い状況のお宅が多いです。

「まだ、大丈夫だろう」と放置で被害が拡大という、結果一番金額がかかる工事内容を選んでいるお方が大勢いらっしゃるのも事実です。

内装や水回りばかりの目に届く所ばかりでなく、厳しい自然環境からそれらを全て守っている外装を、やはり定期的に点検して頂きたいですね。

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