今日の予報はグズグズとハッキリしないどんより厚い雲が立ち込めた鬱陶しい天気。 現在着工中のご近所様の葺き替え工事、こんな天気なので一日お暇をいただき、溜まった調査依頼へ再び出動です。
東面に拓けた田んぼ側の屋根がやはり強風などの被害を受けています。
一見、大した事の無さそうなノシ瓦の脱落も侮る事なかれ!このような細かい損傷でも、本来瓦があるべきところにポッカリ穴が空いているのとでは大違い。
年数をかけて内部の湿式材(葺き土)に風雨による雨水が吸い込まれ、棟全体を脆くし、崩していきます。
入母屋屋根とは本来、寄棟に次いで防水処理の難しい屋根形状です。入母屋屋根の小平面、妻下側の破風尻部分(赤枠)は特に気を付け無ければなりません。
そこを飾っている八巻ノシ瓦も崩れています。
入母屋屋根を丸裸にすると上の写真のようになります。赤枠がノシ瓦の崩れた破風尻部分。この破風尻部分には色々な小屋組材料が密接に絡んでいます※黄印(隅木、配付垂木、母屋、軒桁など)雨水が入り込むと、これらの小屋組材料を伝いながら、二階居室の天井隅や、配置が押入れなら押入れなどからの雨漏れに繋がります。また、繰り返し漏れることで小屋組材料が腐食し白アリなどの格好の材料になります。
こちらのお宅は現在空き家で、弊社お取引様の外国人就労者の宿舎になる予定の為、屋根の修繕工事依頼を頂戴しました。