東近江市I.K様邸 屋根改修工事

2022.05.15

今月も当社ホームページからお問合せいただき有難うございます。今回の物件は普通の戸建の約2倍あり非常に面積の大きい屋根でした。

使用されている屋根材は栄四郎瓦(旧丸栄陶業)謹製ローマンFF50、フラット板は今でこそ平板瓦(F形)という形式呼称が定着しスタンダードな屋根材になりましたが、今から数十年前(私が丁稚時代)はそのデザイン、意匠性が真新しく、こだわりを持った設計屋さんに採用されたり、非常に高級志向な屋根材であったイメージが強いです。ただ残念ながら現在は廃盤品で、今回の改修用にメーカーにお願いして焼いてもらいました(笑)

昔ですから、まだまだ現在のような乾式工法手順が確立されておらず、各工事店任せであった為、土葺きで葺かれていたり、留め付ける釘も飛び打ちなどしてあるので、長年の自然変象(台風や大雨、地震など)によりズレたり割れたり酷い状態です。


瓦を元の位置にシッカリ戻してステンレスビスで固定します。

フラット板はある意味このアンダーラップ(重なったら見えなくなるが、雨水を排水するのに重要な雨水処理部分)の踏み割れが命取り。のちのち雨漏れを起こすリスクを高めます。改修段階で確認出来るこの手の割れ瓦は全て交換します。※外観上、葺かれていたら見えない部分なので、我々専門職から言わせれば、F形瓦の1番厄介な特徴です。

棟部の工法も壁土を土台に銅線で引っ張っただけでしたので、近年標準工法のガイドライン強力棟工法に改修します。金具に固定された芯木にビス留で棟瓦を固定するので、耐震・耐風力は改修前とは比べものになりません!




銅製谷樋も腐食穴開き箇所があり、過去の修理でシリコン埋めて応急処置してあった為、取り替え交換します。


下屋周りの壁際、カットした瓦も留めつけされておらずズレています。



ズレた瓦が水切り板金直下の為、留めつけを行うには物理的に水切り板金撤去=外壁モルタルも一部解体になり、改修後のモルタル復旧、塗装柄合わせを含めると相当な予算になります。

当社がコスト的にお勧めした改修法は、瓦を元の位置に戻して、一枚づつピンポイントでシリコン接着し、その瓦ごと新しい水切り板金でカバーして包み込む工法。

これならば、水切り板金の返により今後ズレ出てくる事はありませんし、板金が瓦に掛かる幅も多くなり防水性も増すと考えます。

完了後はお客様下にも改修後の写真をファイリングしてご説明し、今回の改修工事を喜んでいただけました。

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